うちの会社には無趣味?!の堅い衆、いや若い衆が沢山いる(と思う)
一昨年からいつもいろいろ連れ歩く技術スタッフと先日出張に行った際に趣味の話になった
ま〜簡単に言うと「それは趣味無いのと同じやな、釣りせーや」という半ば強引?!に
釣りなんて全くの関係のない若い衆をリブレに強制連行した(笑)
今回のレポートはこの若い衆の真実のみを追いかけたストーリーである
初めに断っておくが彼の趣味は「剣道」だったらしい・・・
これが趣味かどうか?という事は敢えてここでは割愛させて頂きました
剣道なら竹刀を持つのだから釣りも竿という刀を持つなんて強引な結びつけがあったかどうかは
定かではないが、彼は朝の7:00に秘密基地へやって来たところからこのストーリーはじまる
それでは真実のストーリーをお送りしよう!
6月6日
この男、秘密基地に朝7時にやってきて最初に対面したのが・・・
いきなりチャンピオン206+VERADO275馬力+パワーポールである
まさしく先生パンチ?先制パンチ?真っ正面から受けてしまったのである
おもむろにハイエースの助手席に急かされた彼はそのまま一路リブレへと向かうのであった
もちろん社内ではカーステレオからボリュームを小さめにした音楽が流れていた・・・
「寝たふりしている間に出ていってくれ〜 あああ〜あああ〜」
かなり古いジュリーのヒットソング「勝手にしやがれ」を中村あゆみがカバーしたものであった
彼がこの音楽をしっていたか定かではないがまさしく今日のこれから彼に起ころうとしていた
出来事を予言するかの様な音楽であった
「夜というのに派手なレコード掛けて朝までふざけようワンマンショーで〜
あああ〜ああああ〜ああああ〜」
さて話を道中に戻そう
社内ではこれから師匠と呼ぶことになるかもしれない男がハンドルを握りながら
諭すように彼に「バス釣り」とはなんぞや?というありがたい説法?!を説いていた
そんな話を30分ほど聞いたところでちょうどリブレに車は吸い込まれるように入っていったのである・・・
リブレに到着するともう一人の男が彼らを待ちかまえるように近づいてきた
リブレに着いた男3人は早速ボートをランチングして桟橋にてなにやら密談を始めた
一人の手には今日の刀である真っ黒な一本の刃が握られていた・・・
さすが剣道をやっていただけのことはある
渦中の男は一時間後には見事キャストを出来るぐらいにはなっていた・・・
3人は真っ黒な巨大な船に乗り込むと曇り空の下、リブレをあとにするのであった
一体どれぐらいの移動をしたのだろうか、バスボートは琵琶湖のとある場所でそのスロットルを緩めた
コックピットには無数のGPSデータと何色もの航跡が表示されていた
空はどんより曇っており時々ポツリポツリと雨が落ちてきた
バスボートの男3人はロッドを握りしめて魂を込めたアイテムを放り投げた
まるで綺麗な虹のような軌跡を描いてそのアイテムは波紋と共に水中へと吸い込まれていった
どれほどの時間がたったのだろうかおもむろに船首の男が大きくロッドを立てた
次の瞬間静寂は破られ水面から飛び出している生物を彼は目の当たりにするのである
このほんの一瞬見えた魚体が彼の心を大きく揺らしそして一気に釘着けにした瞬間であった
彼はそのジャンプをする魚を見たことも触ったこともなかった
生まれて初めてバスと呼ばれるゲームフィッシュと呼ばれる魚との対面を果たした瞬間であった
そしてその数秒後バスボートの上には綺麗な魚体を横たえるのであった
船首の男はおもむろに次のキャストを初めながらこうつぶやいたのであった
「黙って見てな・・・もっとデカイ本物を見せてやるから・・・」
この男、実は琵琶湖の湖上に毎年80日程度は浮く世捨て人である
だから年に数回大当たりを引く「運」持つ男であった
彼はこのバスと呼ばれる魚は今日まで見たことがないので彼の心をときめかせるには
このサイズでも十二分であったが船首の男はそのようには思っていない様に見えた
そしてじっと湖上を見つめていた
この沈黙が破られるまでに、そんなに時間は必要無かった
「喰った、よ〜見とき、本物ってバスを見せてやるから」
そして船首の男はにやっと笑った・・・・まさしくまるで映画の悪役スターの様な大胆不敵な笑みだった
次の瞬間、男は大きく体をのけぞらせた
その瞬間ロッドが満月の様にしなり止まった
見れば20mほど先では先ほどよりも2回りほど大きな魚が跳ねていた
船首の男は振り返りながらこう言った
「これがバスフィッシングってもんや、どや?」
そんな事を聞く必要もない状態になっているのはすでに皆さんにも察しの付くところであろう
目の前の出来事が彼を完全に支配してしまうのにそんなに時間は必要なかった
ネットに入れられバスボートのデッキに横たわるのは50cmを越える綺麗な魚体であった
彼は無性にこの魚を釣ってみたい、いや釣りたい、釣り上げたいという衝動に駆られた
後部デッキの男もこの一部始終を目の辺りにして同じ気持ちになったことは言うまでもない
そしてそれからどのくらい時がたったのだろうか・・・後部デッキの男にもその瞬間が訪れた
激しくジャンプを繰り返した魚体がネットに収まった
52cm 立派な琵琶湖バス
さて肝心の男はその後もなんとかこの琵琶湖バスを釣り上げようと努力をしたのだが時計だけがまるで
ゲームの残り時間を刻むように非情にも静かに時を刻むのであった
すると突然船首の男は急に振り返ると、大胆不敵な笑みを浮かべてこうつぶやいた
「体ではなく、心で感じろ・・・」
それほど沈黙が続いただろうようやくその歴史的瞬間が彼に訪れることになった
彼の持つロッドの先にはジャンプを繰り返して逃れようとする魚体が有った
必死にリールを巻いて奴の抵抗に耐えたときにようやくその瞬間が訪れた
彼の震える手の中には見事な40オーバーの琵琶湖バスが横たわっていた
初バスGET!
一生忘れることが出来ない至福の瞬間であった
この笑顔は決して職場では見せることはないだろう・・・
それは他の二人が誰よりも感じたことである
彼はこうして見事に人生で初バスフィッシングで初バス、初40アップを手中にすることができた
しかしこの事は同時に、彼の中に眠っていたもう一人の男が目を覚ますことになった
それは人間が太古の昔から体を構成するすべての細胞の中に潜在させてきたDNAに秘められた
狩猟本能という潜在能力が永い眠りから目を覚ました瞬間であった
目覚めた狩猟本能が進化をするには時間は必要では無かった
数分後にはさらにその開眼した能力が進化するのであった
2本目は40後半のグッドサイズ
まさしく目覚めた能力とはこの状態をいうのではないだろうか・・・
もはや彼の本能を誰も止めることができる状態ではなかった
船首と後部デッキの男は彼の進化をその目の当たりにするのであった
気がつけば彼の握るロッドが満月のようにしなり、その先には巨大な波紋と共に体をくねらせる魚がいた
何度もいうが彼はこの日、初めてロッドを握り、琵琶湖に浮かび、そして目覚めたばかりである
その歴史的瞬間をご覧頂こう
見事な53cmの琵琶湖バス
目覚めてからここまでの時間わずか48分であった
帰りの道中に琵琶湖大橋の東詰にあるプロショップに立ち寄りこれからの休日を
満喫するために一冊の書籍とカタログを手にした彼はにこにこ顔でこうつぶやいた
「今日で僕にも自慢できる立派な趣味が出来ました
バスフィッシングがこんなに楽しいとかおもいませんでした これも柏健工場長のお陰です」
彼の次の目標はマイタックルと度付きサングラスを購入することになったのは
自然の流れであり誰も疑う余地の無いことであろう
こうしてまるで初夏を思わす6月のとある一日は終わった
To be continued
<私の感想>
彼がこの日味わった出来事が日常ごとではないと気づく日はそ〜遠くないとおもうのは私だけだろうか
琵琶湖はそんなに甘くないよ 武ちゃん(笑)
水温:22度 天気;曇りのち晴れ 風:東風→北東風 気温:26度
タックルデータ
ロッド:グリットデザイン社 バサルトBTC−700H
リール:シマノ社 カルカッタコンクエスト 201DC
ライン:バークレー社 トライリーンセンセーション 14ポンド
ルアー:6gテキサスリグ
ロッド:グリットデザイン社 バサルトBTC−700H
リール:シマノ社 カルカッタコンクエスト 201DC
ライン:バークレー社 バニッシュトランジション 14ポンド
ルアー:5gテキサスリグ
ロッド:グリットデザイン社 バサルトBTC−700H
リール:シマノ社 カルカッタコンクエスト 201DC
ライン:バークレー社 バニッシュトランジション 14ポンド
ルアー:4gテキサスリグ
ロッド:グリットデザイン社 バサルトBTC−700M
リール:シマノ社 メタニウムマグ DC7
ライン:バークレー社 トライリーンセンセーション 14ポンド
ルアー:Sストレート 1/16ネコリグ